F+S Flash
(Vol.109)

 

============================= CONTENTS =============================
【F+Sメンバー紹介/第96弾】
  中嶋 博/日本IBM    <東京>
【コラム/『経営や歴史の著名人に見るBSC的考察 』】   <寄稿>
  <No.9> 〜〜「野村 克也」の巻〜〜      高橋 義郎/VWJ
【コラム/『「3点シナリオ」と「メンテナンス」第1回』】 <寄稿>
  ライフサイクルに応じたシナリオを   藤田 彰久/関西大学 名誉教授
【コラム/『【脳マネ】第25回 脳って面白い 』】     <寄稿>
  「計測できるものは改善できる」      前田 英行/日立公共SE
【F+S Forum/開催予定】 (以下は仮日程です。最新日程はHPをご覧ください)
  東 京:【第136回】3月 4日(水)@恵比寿.「マエストロ・オガワ」
  広 島:【第12回】 3月 6日(金)〜7日(土)@銀山町.シサァール
  福 岡:【第33回】 3月13日(金)〜14日(土)@中州.エスカイヤ
  東 京:【第137回】4月22日(水)@赤坂.「エルカミーノ」
      <4月は、八弦ギター+アコーディオン+ケーナのライブです>
  ゴルフ:【第31回】 4月24日(金)@多摩CC<!参加者募集中!>
======================================================================

■=== 【F+Sメンバー紹介/第96弾】

※自己紹介バックナンバーは以下のURLでご覧ください。
 http://www.tru-solutions.jp/F+S_Home.htm#『F+S Flash』

※告知:清水さん(大阪)のライブ日程を更新しました。
 http://www.tru-solutions.jp/Noriko_Shimizu.html

1)中嶋 博/日本IBM   <東京>

遠征ゴルフとクリスマスには高い確率でお目にかかります(*^_^*)。
初めてお会いした時は、SAPにおられた時でした。
ということは、私がERPを離れて10年近くになるということですね。
早いものです。

 <ご本人からの紹介文> 

早いもので、F+Sの仲間に加わって、もう足かけ10年になります。
近頃は、遠征ゴルフ以外の出席率が低迷気味で、
何か、歯切れの悪いメンバーですが・・・。

さて、自己紹介です。

生まれも育ちも東京向島、下町の町工場の倅、チャキチャキの江戸っ子。
付属高校から進学したこともあって、高校時代から夏は山登りとヨット、
冬はスキーと随分楽しい学生生活を過ごした記憶があります。

就職は1982年、まだ護送船団の時代に、今は亡き北の名門?北海道拓殖
銀行にお世話になりました。
就職の動機は、そこそこの処遇で優雅に夜遊びとスキーができそうだという、
かなり不純なものでした。実際、世の中、そうはうまくいかず、
米国シアトル駐在中に経営破たん。
結局、ウン百億円の貸出資産をたたき売って、支店を閉めて、隠れるように
一家で帰国。日本経済を震撼させた、丁度、1997年の出来事です。

もって生まれた楽観的な性格のなせる業か、はたまた、開き直りなのか、
銀行業から足を洗って、銀行を商売相手にするコンサルにヒョイと移り
ました。SAPが日本での本格展開を図り始めた頃にインダストリー
コンサルタントとして入社し、頃合いを見て、儲かりそうな?営業に
落ち着いた次第です。

一度、転職の快感を味わうと多少癖になったのか、ERP(ドイツ系SAP)
→BPM(米西海岸系SAVVION)→EAI(英国系MERCATOR)
→ECM(米東海岸系EMC)→ECM(米西海岸系FILENET)と
3文字ITソリューションの外資系営業一筋でのたうちまわりました。

何が実になったのか、良く分かりませんが、マイレージだけは確実に蓄積され、
いまだに遠征ゴルフに活用させていただいております。

最終的に、1996年にIBMに吸収され、日本IBMでECMビジネスを
リードする立場に横滑り。ちなみに、ECMとは、企業向けコンテンツ管理
のことです。文書の電子化、コンプライアンスのニーズで、
結構期待されている分野ではありますが、
この不況で、この先どうなることやら。。。。

個人的には、久しぶりの日本的な会社の中間管理職として、
忘れていた日本的習慣(根回しやノミュニケーション、スーツでの出勤、
社員食堂での食事)に戸惑っている毎日です。

さて、今年でいよいよ50歳になりますが、近頃、世の中の狭さを実感
しております。私の隣の営業部にはERP時代の同僚がおり、
金融向けバーチャルセールスチームには、銀行時代の先輩、後輩が
うようよし、パートナーさんにも顔見知りの方がいっぱい。
シアトル時代にお世話になった会計士の方がコンサルに転進し、
再びお世話になったなんて経験も最近ありましたし、
街でも学生時代の知人、良く会いますね。

傑作なのは、高校時代の友人に連れて行かれた銀座のすごく小さなバーが、
数年前、ITの先輩につれていかれた店と同じ店でした。
そう言えば、2人とも同じ事を言ってましたね、「俺の店だと」。
つい先日、地下鉄で昔の彼女に会ったのには、さすがに驚きましたが。

東京圏で長いこと生活している事や職業柄、という背景もありますが、
人間の出会いの不思議を感じざるをえません。
一度、出会った方とは、また何時何処で再開するかもしれず、
人間関係は誠実にしないと、とつくづく思う今日この頃です。
そういえば、私をF+Sに紹介したくれたF氏は、
いまだに、10年前の銀座での深夜の大トラ(?)を覚えているらしく、
今でもしっかりからかってくれます。

また明日、どんな再会があるのだろうか・・・???
これこそ、年を取った者の一番の素敵な特権かもしれないですね。
将来の再会のネタのために、今年は、ちゃんと参加したいと思っております。

■=== 【コラム/『経営や歴史の著名人に見るBSC的考察』】 <寄稿>

   〜〜 「野村 克也」の巻 〜〜
                        高橋 義郎/VWJ
                    yosiro-t@cb4.so-net.ne.jp

野村監督は、なぜ「ぼやく」のか???

その理由は、彼一流のメディア活用戦略である。
試合のあとなどに、記者たちに話題を提供することで楽天球団に注目を
集めさせたり、ファンサービスという意味もあるが、
第一の理由は、やはり彼がぼやくことで選手たちを発奮させることであろう。

彼のぼやきがメディアを通して選手たちに伝わることで、
選手は何が悪かったのか、監督がどうしてほしいのか、どこを直すべきなのか
を考え、反省し、次につなげようとする。
それを狙っているのだという。

面と向かってぐだぐだ叱るよりも、メディアを通して短い言葉で端的に
伝えるほうが、もちろん内容によるだろうが、効果的と思っているのだ。

むろん、その背景にあるのは「監督はやっぱり俺のことを見ていてくれて
いるのだなあ」と感じさせることにより、選手たちのやる気を出させる
ことに違いない。

社員満足(ES)の原点である彼一流のコミュニケーション術だ。

野村監督は、球団や選手の再生工場とか、データによる考える野球の元祖、
などと呼ばれてきたが、しかし、なんといっても彼の真髄は、叱り方、
褒め方、教え方、の3つの方(かた)に代表される人間(選手)との
係わり方であろう。

この監督についていけば、絶対に勝てる、という、
いかに選手の信頼感を勝ち得るかが、彼の最初の仕事である。
そして、再生の極意は「気づき」にありという
信念も傾聴すべきところであろう。

同様に、組織づくりで彼が最初に行うのは「意識改革」である。
「考え方が変われば行動が変わる」というのが、以下のヒンズー教にある
言葉をもとに彼なりに理解をした信条だそうだが、
意識が変われば、野球に対する取り組みが変わり、プレーも変わる、
という意味だ。

すなわち、
心が変われば態度が変わる。態度が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる。
である。

別に野球に限ったことではない。
この信条が、彼の発揮するリーダーシップや、
歩んできた人生のバックボーンになっていることは間違いない。

そんな野村監督の生きざまをBSCの4つの視点に書いてみると、
次のようになるのではないだろうか。識者の意見を待ちたい。

−−−−−−−−−−−−−−−−−
<財務の視点>
 ・野村人生目標の達成
<顧客の視点>
 ・球団や監督からの信頼獲得
 ・球界におけるシンキング・ベースボール概念定着への寄与
 ・野村スコープを活用した野球解説の高評価
<プロセスの視点>
 ・プロセス重視の野村野球による指導と実践
 ・ピッチャーのクセや傾向をデータ化し頭を使って打率向上
 ・稲尾和久という絶好の攻略目標の存在と打倒プロセスへの挑戦
 ・「ささやき戦術」や「野村スコープ」等の戦術開発と実践
 ・3悪人(江夏、江本、門田)との出会いによる選手指導術の開発
<学習と成長>
 ・常に前向きに考え、目標に向かって努力する意識
 ・自分は不器用なのだと認識し、そこから解決策を見つけていく姿勢
 ・選手の成長に視点を置いたリーダーシップや指導の発揮
−−−−−−−−−−−−−−−−−

筆者紹介: 高橋 義郎
      元・フィリップスエレクトロニクスジャパン 経営品質部長
現・ヴェオリアウオータージャパン 経営戦略室長
<高橋さんのHP: http://www007.upp.so-net.ne.jp/y-takahashi-27/ >

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■=== 【コラム/『「3点シナリオ」と「メンテナンス」』】<寄稿>

西嶋家は父子で藤田先生父子にお世話になりました。藤田先生との初めての
接点は大阪府立大学在学時の初めての授業の時に出席を取られ順に名前と
顔を確認して行かれたのですが、私の名前を呼ばれた後「お父さんは何を
されてますか?」と聞かれ、これこれですと説明すると「だと思った」と
一言。私は狐に摘まれたようで「???」状態だったのですが、授業終了後、
藤田先生のお父様が私の父が工場長をしていた会社へコンサルタントとして
行かれていたのだそうです。私が父と顔が似ているので「ひょっとしたら」
と思って確認されたそうです。その後就職の相談に乗って頂いたり、アシスト
時代にはゼミから卒業生を送り込んで頂いたりしていました。海外を含み
現在も活発に活動をされておられ、私が尊敬する人物の最右翼のお一人です。
今回は、「ワーストシナリオ」を考えておくべき時期だと私が言い出した
タイミングでこの原稿が送られてきましたので、先生にお願いをして2回に
分け転載する事にさせていただきました。充分な計画とスピード経営が雌雄
を決する大変な重要な時期です。
.................................................................

 〜 突然の大嵐、「3点シナリオ」と「メンテナンス」を 〜  

                      関西大学 名誉教授    
                   大阪府品質管理協会 特別会員
                        藤田 彰久

経験したことのない突然の連鎖型大嵐に見舞われ、さてどうしたものかと
頭をひねって、しかし冷静に考えてみれば事モノづくりに関しては、
やはり「ライフサイクル」や「成熟」の底に流れる原理が基軸であることは
間違いないと思われるので、改めて意味を確かめ、有力な武器である
「3点シナリオ」を活用して対応する術を考えてみたい。

成熟の時代に生きる我々としては否応なしに戦略的に考えざるを得ない。
@ コア・テクノロジーの成熟、A 製品の成熟、B 市場の成熟、の
三つの成熟についてまず考え、状況によってはさらに、C 事業の成熟、
D 企業・組織の成熟について深耕する必要がある。

それぞれの「ライフサイクル」の骨子をしっかり見定めて「成熟」の動態を
把握し、メリハリのある対応を、と強調したのだった。

もちろん、それぞれの事業は皆「需要と供給」のバランスの上にあり、
それが基本前提となるわけだから、日本のようにモノ余りの国と、
途上国のように潜在需要がなお供給を上回る場合とでは、
まったく違った戦略行動をとらなければならない。

しかし今回の米国発の突然の大変異は、日本のモノづくりも「ライフ」や
「成熟」の意味を根底から見直して対応しなければ生き残れないことを
強く示唆している。

従来とは異なる発想で取り組むことが必須の条件となるわけだが、
大切なことは戦略次第で新たなビジネスチャンスが得られる可能性が
潜在している点を決して見逃してはならないということである。
後述する「メンテナンス戦略」はその線上にある重要な課題といえる。

1.「3点シナリオ」とは?
 
まず「3点シナリオ」を説明しよう。
楽観シナリオ・現実シナリオ・悲観シナリオの三つのシナリオのこと
であって、それらはいずれもそれぞれの前提となる数字から出発する。

前提を理解するには「製造計画」を確かめる必要がある。
モノづくりに直接かかわる三段階計画、製造計画・工場計画・生産計画の
中で最も日常的な生産計画は所定の工場を前提にして行われるから、
当然「工場計画」が先行する。その工場計画の基になるのが
(さらに先行する)「製造計画」(技術−経済面からの基本的検討)であり、
いわば「モノづくりの基盤」となる計画である。

製造計画は、経営計画で示された生産水準(品目・数量・継続期間等)を
もとに行うのが筋なのだが、日本では需要予測が困難な場合が多く、
実際には数字(生産水準)を仮定してシナリオを策定するのが普通である。
それで各シナリオはそれぞれ、楽観・現実・悲観それぞれの生産水準を基に
構想されることになる。

私は、それら三つのシナリオはセットとして理解されるべきものと
考えているので『3点シナリオ』と呼んでいる。
つまり実現性が最も高いと考えるのが「現実」シナリオ、ひょっとすると、
と期待を込めて段取りしておくのが「楽観」シナリオ、悪い条件で
きびしい場面を想定して詰めておくのが「悲観」シナリオ、ということで、
それら三つの方向をセットとして考えることを強く勧めている。
 
2.「3点シナリオ」の逐次現時点修正

一般に、高度成長期のような右肩一辺倒の時の「成熟」では、
楽観と悲観の差は縮まり現実案との差も小さくなるが、
不安定な環境下では差は大きく開く。また個々の製品や市場の開発導入期や
立ち上がり期には差が開くのが普通である。

もちろん、経営者の意思や経営判断によってリスク覚悟で打って出るとき
には現実シナリオと楽観シナリオの差を縮め、逆に悲観シナリオとの差を
大きくとっておくなどの所作が必要になろう。

要は、常に「楽観」と「悲観」二つのシナリオを手に持ちながら
「現実」シナリオによって行動することである。

今回のような突然の災難もあれば、思いがけぬ展開もある。
経営者の先見性や経営層の状況判断によるシナリオの逐次修正の有無・適否
が決め手になるわけで、経営行動のポイントは適切な逐次現時点修正を
欠かさないことにあるといえる。

平穏なときは定期的な修正で間に合おうが、荒天下では刻々の臨機応変
逐次修正が不可欠となる。昨日までの「悲観」シナリオを差し替えて
(用意してあったからこそ)今日の急場をしのぐことができたり、
思いがけぬ展望が開けて、俄かに「楽観」シナリオに差し替え豁然と
対応できるなど、適切なシナリオはすべての経営行動の内容とスピード、
結果の成否を規定する重要な存在となる。

再び言う。常に手入れされた〈楽観〉〈悲観〉両シナリオを持って行動
する限り、事に及んで慌てる可能性は非常に小さくなる。
たゆまぬ修正は命なのである。

3.ライフと成熟の再吟味

乱暴に言えば、現在の荒天航海を機に、日本の、「成熟」という名の、
一種の安定状態の底に、実は深く隠れていた過剰品質などの暗礁を徹底的に
見極めなければならない。

変化したニーズや条件に適合するよう根本から見直して、
簡素化などを含むすべての機能の整理、あるいは在庫・ロジスティクスなど
を網羅した総合対応を入念に追求するというイメージで見直してみる必要が
ある。そういう意味ではまたとない機会といえよう。 

結果、見直しえた製品は、時には新製品と位置づける方がいい場合も
あろうし、市場についても、通常の絞り込み・層別・特定化などの
成熟対応策にこだわらず、原点的に再構成して対応する方が有効なケースが
必ず出てくるものと思われる。

事実、多くの場合、そのような発想で製品や市場を徹底的に見直すこと
により、近年の、日本特有の ― むしろ通弊といっていい 短納期・
短ライフサイクル・過剰品質型のモノづくりを、
根本から改めることができるのである。

もちろん徒らに安売り競争などに巻き込まれることは避けねばならないが、
今回の災難は見方を変えれば、たとい相当の一時的損失はあっても、
徹底した再吟味によって落ち着いたモノづくりに移行できるチャンスと
なしうる可能性が大変大きいことを深く理解すべきであろう。

可能性は皆さんの手に委ねられている。

我慢と工夫、英知をもって取り組み、災いを転じて福となしていただきたい。

4.<補>成長期・衰退期

製品ライフサイクルの衰退期には、たとえば、撤退にはコストミニマムより
リスクミニマムを判断基準とする方がいい、つまり他の製品や経営全体への
マイナス影響を最小にとどめる撤退時期や撤退方法を選ぶべきである。
 
しかし今回のような格別な異常事態には、いち早くコストミニマム対応を
とるべき場合が当然出てこよう。兼ね合いを重視して経営行動全体の危険と
計算において急ぎ総合判断すべきときである。

一方、製品や市場が成長期にあると自認されていた場合の対応はかなり
多面的な複合判断が必要になる。とくに成長初期には、量産化への
ハード・ソフト両面の高額投資をしたばかりという状態が多いし
社内意識の変革に手間取る場合もあるからである。

従って、それらの投資と機会損失などを含むリスクとのトレードオフに
ついて高度の経営判断と、それを実行する強いリーダーシップが要求される
ことにならざるを得ない。

しかし、成長後期の場合は、通常は「多様化」「差別化」などを考える
段階であるから、本然と、顧客・市場・製品ニーズ等の急変に適う
原点的修正を行う形で対応するのが適切であろう。

      ・・・次回につづく

 5.メンテ戦略の必然的重要性
 6.メンテナンス ― 似て非なる中に見る日本の可能性
 7.特記 米国での一例

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<筆者プロフィール>  藤田 彰久  関西大学名誉教授〈商博〉
大阪府立産業能率研究所生産管理部長を経て関西大学教授。商学部長等を
経て99年に退職。能研時代、米国に留学。IEおよびトップマネジメント
の泰斗メイナード博士のもとで研鑽を積む。
関西大学時代、カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員(2回)や
ベルギー・ルーヴァン大学に留学など、在外研究・海外調査多数。
国内調査・診断・審査等多数(通産大臣「優良中小企業診断士」表彰。
著書・論文:「IEの基礎」「生産文化論」など多数。
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■=== 【コラム/『【脳マネ】第25回 脳って面白い 』】<寄稿>

       監修・文責 前田英行/日立公共システムエンジニアリング
                    maeda@gp.hITachi.co.jp

〜脳科学から学ぶプロジェクトマネジメント/プロのマネージャー〜
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   《 第25回:「計測できるものは改善できる」》
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  === チームビルディング、コミュニケーションマネジメント ===

  「計測できるものは改善できる」仕事、体、心の調子も!?
     (自動計測センサで生活習慣が改善できた!)  

今回は、本当にあったこんなお話しから始まります。

近頃なんだか体調が良くないです。以前より疲れやすく、意欲も続きません。
仕事の効率も悪くその出来具合もよくありません。
これだという特別な原因は思い当たりません。なんだかブルーです。
専門家の産業医の方に相談をしました。

産業医の方から、生活習慣の変化に問題があるのかもしれませんね。
「@ 診断をするために、現状の生活習慣を教えてください。」と
聞かれました。その内容はこれです。

・睡眠時間と起床時刻
   ・食事時間とその内容
・運動時間とその内容

ここ2〜3日の睡眠時間なら大体覚えているような気がします。
あまり乱れているのもかっこ悪いので、良いほうに答えてしまいました。
食事の内容も正確には覚えていません?揚げ物はあまり取っていませんと
答えたけど本当だったかな?食事の内容をメモしておいた方がいいのかも
知れませんが、めんどうですよね。
運動の時間はどれぐらいかな、これも正確には覚えていないので
ちょっと多めにこたえたかな、ウソをつく気はありませんでしたが・・・。

「A大体ではなく正確に詳しく教えていただけると、より正しい診断が
出来ます。」と聞かれた内容はこれです。

・ここ1ヶ月の毎日の生活状況
・規則的かどれくらいみだれているか
・1ヶ月前、3ヶ月前、1年前との変化

こんなこと聞かれても、普段意識していないので、自分自身でも
よく覚えていません。日記でもつけていればすこしは思い出せるかも
知れませんが、正確には無理ですね。
これから1週間、意識して記録を取るとしても、大変そうな気がします。

意識しなくても、自動で計れて記録できるツールはないかな・・・?
 
このごろ技術が進んでるし、健康ブームなので実用的なものがあるかも
しれないな。ネットで調べてみよう。いろいろあるぞ・・。
「高性能歩数計」、運動強度は「心拍計」で測るのか!

いまは小型化されていて身に着けることが簡単で、いつでも意識せず
24時間自動計測もできるんだ。データをパソコンに取り込めて管理も
できるんだ。簡単にグラフで見えて、これなら、昔のデータとの比較や
生活習慣の変化もわかるね。

産業医の方とも相談して、ある自動計測センサをつけて計測することに
しました。腕時計型のセンサでは、加速度、脈拍、体温が測れます。
これを、身に着けて自動計測をしたらこんなことがわかりました。

・何時に寝て、何時におきたか大体データがとれました。グラフでみると
 こんなに睡眠時間が不規則とは思いませんでした。特に寝はじめの時間が
 ばらばらですね。平日の睡眠時間が少なすぎないかな?

・何時に食事をとっているかも記録が残りました。夕食が本当に不規則ですね。
 寝る直前の食事の回数がこんなに増えてきています。良くないですね。

・運動している時間と、心拍数から運動強度も良くわかります。
 自分では結構歩いているつもりですが、脂肪を燃やすためには心拍数を
 120に上げないと効かないそうです。

毎日の自分の生活習慣がグラフで見えるようになりました。
そのグラフには、産業医の方から言われた目標も赤字でみえています。
見えるだけで、自分の生活習慣を意識して行動するので数字が良くなって
行きます。

生活習慣を改善するための本はいろいろ出ています。あれもこれも
良さそうですが、時間とエネルギーは有限なので、全部をやるわけには
行きません。自分にあった、できるだけ手間がかからず、楽しく続けられる
方法を工夫して、実際にやってみることが大切です。

それを自動計測して、どれぐらいやるとどれぐらい効き目があるのか、
確認しながら継続すれば、どんどんやり方が上手になって、
成果がぐんと上がります。
いろいろな工夫や努力が自動計測センサで数字で見えるので、
改善する意欲的も自然にわいてきます。

自分の生活習慣の改善を、やればできるとグラフにほめてもらっているような
気がして、なんだか自信がもてます。前向きにやると成果が上がり、
成果が上がると前向きなれる「ポジティブスパイラル」が回り始めたようです。

体調も意欲も戻ってきました。おかげで体重も減り、筋肉もつき、顔つきも
明るくなった様です。奥さんから、「かっこよくなったんじゃない!」と
褒められました。

・・・まさに、「計測できるものは改善できる」です。

それも効率よく楽しく改善できるですね。
このお話は事実に基づいています。生活習慣を改善するには、
生活習慣を計測することが始まりだと思います。
センサ技術の小型化と高性能化で、人間の生活習慣を意識しないで
24時間自動計測できるようもなりました。

※コメントを頂けると嬉しいです。書く意欲が継続します。
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<筆者プロフィール>  前田 英行 (まえだ ひでゆき)
福島県生まれ。家族は妻、子供3人、猫一匹と亀一匹。牛久市在住。
SE、プロジェクトマネジャとして大小数多くのITシステム構築に従事。
プロジェクトマネジメント学会評議委員、PMP、ITC、システム監査
技術者。趣味は芸術と脳科学、発展途上中のゴルフとスポーツ観戦。
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■=== 【F+S Forum/開催日程】

◆開催予定:  <以下は仮日程です。最新日程はHPをご覧ください>

 東 京:【第136回】3月 4日(水)@恵比寿.「マエストロ・オガワ」
 東 京:【第137回】4月22日(水)@赤坂.「エルカミーノ」
      <4月は、八弦ギター+アコーディオン+ケーナのライブです>

 広 島:【第12回】 3月 6日(金)〜 7日(土)@銀山町.シサァール
 福 岡:【第33回】 3月13日(金)〜14日(土)@中州.エスカイヤ

 名古屋:【第30回】 5月??日(?)@則武.「ノリタケの森」(予定)
 大 阪:【第45回】 4月??日(?)@梅田.エスカイヤOSビル
 大 阪:【第46回】 6月12日(金)@梅田.エスカイヤOSビル

 ゴルフ:【第31回】 4月24日(金)@多摩CC

 <特別企画>:詳細未定ですが・・・
    5月の鹿児島(指宿)、7月の北海道(根室/最東端)、
    あと、秋の宮崎なども検討中です。乞うご期待!!

◆開催報告:

 名古屋:【第29回】 2月 5日(木)@名駅.エスカイヤ
      10名の方々に御参加いただきました
 大 阪:【第44回】 2月 6日(金)@梅田.エスカイヤOSビル
      久々に24名もの参加者で賑わいました
 <特別企画>:2月18日(水)〜19日(木)@沖縄「サザンリンクス」
      8名の御参加でリンクス2Rを楽しんできました

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
  「人が創る」を合い言葉に、「F+S Forum」を通じてより良い社会へ
       http://www.TRU-Solutions.jp/F+S_Forum.htm
   参加者のご紹介や【F+S Flash】のバックナンバーは上記URLで
  各種有益な情報提供やイベント等の告知があればお知らせください
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

編集後記: 金融から自動車業界へ、そして電機業界へと、大きく影響が出て
きていますが、事務職が多いせいか東京の方々は実感がない人が多いようです。
政官民問わずの緊張感の無さが今の日本を象徴しています。真の緊張感を持っ
ていたら、党を超えての方針策定へ動くはずです。保身と権益を守ることだけ
に意識が行っている政治家・事務官僚・経営者ばかりです。その下で、何も知
らされていない(理解する能力がない?)幹部社員や一般社員ですので危機感
は生まれるはずもないですね。麻生ちゃんの訪米はオバマ君に上手く利用され
ただけのようです。きっと、NEWSには出てこない約束をしてきたはずです。

 余談ですが、面白い格言がある雑誌に載っていましたので紹介します。
   『 結婚は、判断力の欠如!
        離婚は、忍耐力の欠如!
           そして、再婚は、記憶力の欠如!である 』
 なかなか言い得て妙ですねえ!(*^_^*)!

<2008年活動総括==> http://www.tru-solutions.jp/F+S_Activities.htm >

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