F+S Flash
(Vol.117)

 

============================= CONTENTS =============================
【F+Sメンバー紹介/第103弾】
  宇野 俊彦  / 宇野印材店      <福岡>
  木下 富佐生 / テイクス       <東京>
  辻 常和   / エス・ワイ・シー   <広島>
【コラム/『シリコン・ヴァレイの印象』】  <寄稿>
  本質と歴史と、そこから生まれるユトリ 藤田 彰久/関西大学 名誉教授
【コラム/『経営や歴史の著名人に見るBSC的考察 』】   <寄稿>
  〜「楽天イーグルス」の巻〜    高橋 義郎/VWJ
【コラム/『【脳マネ】第33回 脳って面白い 』】     <寄稿>
  「心の力を鍛える(プロ選手のメントレ)」  前田 英行/日立公共SE
【F+S Forum/開催予定】 (最新日程はHPをご覧ください)
  ゴルフ【第33回】 11月20日(金)@桜ヶ丘CC
  東 京【第141回】12月16日(水)@恵比寿.BELGAMO<クリスマス>
======================================================================

■=== 【F+Sメンバー紹介/第103弾】

※自己紹介バックナンバーは以下のURLでご覧ください。
 http://www.tru-solutions.jp/F+S_Home.htm#『F+S Flash』

1)宇野 俊彦 / 宇野印材店      <福岡>

活動的なojiオジさんです。
というより、「自由人」と表現した方が正しいでしょうか・・・。
何事にも積極的に取り組まれているのが羨ましいですね(*^_^*)

 <ご本人からの一言> 

F+Sの皆様はじめまして、宇野俊彦です。
団塊世代です。私は、祖父の時代からの、印材及び文具用品の卸問屋の
3代目です。創業60年です。
世間で言われています。3代目で、会社を駄目にしない内に
4代目に、いつ交代しようかと思っている、今日この頃です。

私は機械が好きで、印章彫刻機、24時間無人で彫刻をしてくれる機械を
2台導入しました。金属・ガラス・石印材・チタン・ゴム・浸透印等も
彫刻しています。

私がF+Sに参加させて頂き2年になります。
紹介頂いたのは、福岡の小宮氏で、
友人としては約10年ぐらいのお付き合いです。
スキー・ゴルフ・バイクでのツーリング・お酒と多方面でお付き合いを
しています。年に一度は、信州・能登方面とグルメツーリングは
欠かした事はありません。

バイクは、ホンダのGL1800に乗っています。
海外ツーリングは、3度ニュージーランドに行きました。
来年再度挑戦しようと、計画中です。

還暦を過ぎても、皆様からお誘い頂ければ、出来るだけ参加をモットーに
頑張っています。今後も宜しくお願いいたします。

冬はスキー、夏は水上スキー・ウエークボード、ゴルフ・ツーリングと
楽しんでいます。スカイダイビング・ラフティング等も経験済みです。
色々な物に挑戦して行こうと思っています。お誘いお待ちしています。

2)木下 富佐生 / テイクス      <東京>

静かに、しかし、確実に・・・といった印象です。
スポーツを永く続けておられるということはすばらしいことですね。

 <ご本人からの一言> 

昨年よりHPの古田様にご紹介頂き参加をさせて頂いております。
木下富佐生(キノシタフサオ)と申します。
「富佐生」と言う名前ですが、大抵「フサオ」とは読んで頂けますが
私自身も妙な漢字使っているなと思っています。
同じ名前の方はネットで調べると何人かは居るようなんですが
実際に出会った事はまだありません。
両親によるとお寺の住職に付けてもらい
当時はどのような意味があるのか伺ったものの
すっかり忘れてしまったと言う事で、意味は謎のままです...。

私自身この業界(IT系)への入り口はSSS(スリーエス)と言う
現在のSRA社と合併した会社に入ったのがスタートでした。
当時は大型の汎用機で銀行や製鉄会社の業務アプリ開発をしておりましたが
若気の至りと言うか..2年半と言う短い期間で飛び出してしまい
以後フリーランスで同様に開発の仕事をしておりました。
2000年に今現在の株式会社テイクスと言う会社を
代表の人間と二人で起業し、今に至っております。

趣味はサッカーとゴルフ
サッカーは小学生の頃から始めて今現在も
シニアのチームに所属して続けています。
シニアのリーグと言うのはあまり試合数が無いので
柏市のリーグ所属のチームと千葉県のリーグ所属のチーム
葛飾区のリーグ所属のチームと3チームで遊んでます。
シニアのリーグに参加当初は少しブランクがあったので
体力と感覚を戻すのに苦労しましたが
昨年の春頃にはようやく少し戻って活躍できるようになって来ました
ところが...試合中に捻挫...年を取るとなかなか治りが遅く
ようやく今年の春に復帰しましたが体力・感覚はまた一からと言う感じです。

中学〜社会人(20代)までは結構活躍していたので
今の自分に歯がゆい思いをしています。
一方ゴルフはまだ始めて五年程ですが
始めた当初よりは徐々にですがうまくはなってきているので
うまくとは言っても100くらいですが...(^^ゞ )
サッカーは下降気味、ゴルフは上昇と言うことで
最近はゴルフの機会の方が多くなってきています。
F+Sで知り合った方々とも何度かご一緒させて頂いております。

F+Sには先輩方が沢山いらっしゃり
色々と教えて頂けるので大変勉強になりますし
楽しい方々ばかりなので、出来る限り参加をしたいと思っております。

今後とも宜しくお願い致します。

3)辻 常和 / エス・ワイ・シー      <広島>

いよいよゴルフデビューでしょうか???
楽しみです。
それにしても、地元還元型の生活で身体は大丈夫なのでしょうか?

 <ご本人からの一言> 

(株)エス・ワイ・シーの辻でございます。
今回、ご要請をいただき恥ずかしながら自己紹介させていただきます。

私とF+Sの出会いは今から約10年前になります。
当時、日本ヒューレット・パッカードの大阪にてパートナービジネスマネージャー
として東洋情報システム(現TIS)様を担当しておりました。
その折、本ビジネスの最重要顧客 氏部(現クオリカ)様に梅田のエスカイヤ
クラブへ強制連行されたのが、皆様へのデビューでした。

氏部様、素晴らしい機会を設定いただき本当にありがとうございました。

ここで少し経歴を紹介します。
生まれも育ちも京都のバリバリ関西人です。
実家は花街、宮川町(映画“舞妓Haaaan”の舞台となった)でその筋の仕事を
しており、(今は廃業)三味の音とお姉さん(芸姑さん)の情操教育を受け
のびのび育ちました。

地元の大学を卒業後、横河ヒューレット・パッカード(現日本ヒューレット・
パッカード)に就職、花のお江戸で2年半、大阪で20年、
一貫してコンピュータの営業・管理職を経験し、
2000年5月より株式会社エス・ワイ・シー(日本ヒューレット・パッカードと
新川電機との合弁会社:本社広島)に出向、移籍し、
約10年会社経営に携わっております。

ここ広島はビジネスの幅を広げるにはなかなか厳しい環境ではありますが
住むには最高。魚、地酒、気候、文化、女性と単身赴任者にはなかなか
魅力的な街です。

食事は100%外食を徹底し、いただいたお金は全て広島経済活性化のため
流川界隈に投資している模範的な地場経営者です。
そして、昨年から55の手習いで“ゴルフ”を始めました。
まだまだ天文学的スコアですが、いつしか“F+Sコンペ”にデビューすべく
練習しております。その際はお付き合いよろしく。

最後に、コンピュータインフラ構築にお困りの際は
ぜひお声がけいただけますようお願いいたします。
==> http://www.syc.co.jp/solution/system02.html

┏━AD━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  こんな時だからこそ明確な戦略の立案とスピード経営が最重要です
    成功の鍵は、中間管理職のマネジメントスタイルの変革です
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  管理職の行動変革に最適な研修<発見!ミッションクリティカル>
 ★☆★ 事業目標達成を支援「マネジメントスタイル」革新講座 ★☆★
        2010年2月開催予定@JUAS
     http://www.juas.or.jp/seminar/open/s411083.html
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  会社方針に基づく業務上課題の発見とその解決への自己課題の検討
   組織変革への引き金となる管理職の自己変革へのコミットメント
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【コラム/『シリコン・ヴァレイの印象』】<寄稿>

Vol.109とVol.110にも『「3点シナリオ」と「メンテナンス」』と題して
寄稿いただきましたが、再度の御登場です。

藤田先生との接点は、私が大阪府立大学在学時にお世話になり、
その後就職相談に乗って頂いたり、アシスト時代にはゼミから卒業生を
送り込んで頂いたりしていました。

今回は、今年の春に行かれた米国での印象を中心にまとめられおられ、
米国と日本の「発想の違い」を強く感じる話題となっています。
.................................................................

 〜 シリコン・ヴァレイの印象 〜  

                       関西大学 名誉教授    
                    大阪府品質管理協会 特別会員
                         藤田 彰久

09年4月下旬から5月中旬までシリコン・ヴァレイを中心に観察した。
昨年の夏は東海岸の日系大手事業所にボランティア応援に行った関係で、
シリコン・ヴァレイは事実上パスした。
それだけに、『アメリカの〈エンジン〉』への経済ショックの影響は気に
かかっていた。実際、確かに影響が見られた部分はあった、が、
シリコン・ヴァレイの活力は確かだったし、アメリカの底力を随所で
感じさせられた(いささか能天気の観、なきにしもあらず、ではあるが・・・)。

以下は、帰国後、ゼミOB用に書いたメモに加筆したものである。
前号への掲載項目:
★まず、「豚(新)インフルエンザ」
★さて、「シリコン・ヴァレイ」の諸相
<1> 日系企業・新顔の「ダイソー」 ― 《 You Break, You Pay! 》

-----------------------------------------------

<2> 新たな変化・伸張の傾向

1.韓国に注目
以前から「韓国勢への注目を・・・」と促してきたが、自動車や建機等で
一定の地位を得ていた韓国勢は、家電関係でも、もはや揺るがぬ地歩を
固めている。深耕と展望が必要である。 

家電製品ではサムスンやLGが日本製品をすでに凌駕 ― とくに日本で価格が
急落している薄型テレビの市場はサムスンやLGの天下。
日本メーカに市場魅力はない。
僅かに「液晶」でなく「プラズマ」でサムスンとパナソニックが別格(高級)
扱いをされている店があったぐらい。 とにかく顧客の目線は画面の見栄えが
いい韓国製品に集中 ― よく見れば日本製品の画面には陰影や奥行きが
感じられるのだが、ちょっと見には韓国製品のシャープな画面が引き立つ、
映像はくっきり見えて人だかりが多い。
 
結果的・相対的に高額で通っている大型電気冷蔵庫なども、売り場には
LG・サムスンの羅列・・・、日・米・欧製品は影が薄い。
その売り場も、かつて人々が競って並んだBest Buy は今や閑散、
Fry’sや Walmart が人気を集めている。老舗シアーズも底堅い。
デジカメ売り場は万引き対応か警備員が多く見にくい。
コピー・プリンタ類は客が少ない。

2.新たな典型、たとえばインド人、本土中国人 ― 人口動態
ITバブルで米国入りしたインド人や本土中国人(台湾人や華僑と区別して
Mainland-Chineseと呼ばれる)が今世紀に入って急増したことと、
その後の在りよう ― インド人の定住傾向と中国人の還流現象
(brain circulation) ― についてはすでに報告したとおりであるが、
最近の傾向はどうか?

3.日本にも進出したIKEAは、地域に根ざした相変わらずの工夫で
人気がある。

客層はインド系カップルの増加がとくに目立つ。 急増したインド人は、
定住願望が強く、穏健着実な連中が結婚し家庭を持つ年齢になっているのだ。
彼らの願望水準、広い分野での購買行動に即した戦略をとる企業は、
IKEAのように間違いなく高揚している。
IKEAは知ってのとおり、家具を売るというより「生活空間を(見せて)
売る」スタイルなので、(参考出品の)家電製品・オフィス機器などに
注目(品定め)する客もある。ブランド品ではやはり韓国ものが主。
残念ながら日本製品は見当たらない。日本の経営的戦略対応は貧困だ。

4.一方、本土中国人はどうか?
インド勢に次いで急増した本土中国人ではあるが、帰国==>高収入期待か?
政策か? 定住願望は、相変わらずインド人たちと懸隔があるようである。
聡明で活躍している古くからの年配者(国籍取得)がいる一方、
最近の到来者や若者には厚顔な態度や成金行動的傾向が見られ、
華僑や台湾系中国人が長年築き上げた土台の上に、てらいもなく乗っかって
いるような傍若無人な振る舞いが散見された。

5.ベイ・エリアに早くから定住しているベトナム人や韓国人などは、
すでに落ち着いたコミュニティを形成しているが、新たなインド系・
本土中国系の人たちの動向は目が離せない。
人口動態の分析的視座は、とくに変化の多い地域では不可欠であるが、
後述する「創発型大学」の視点も含め、インドと中国の存在と動向、
グローバルな視点ならびにアメリカとの関係からの多面的な比較・分析・
考察は、日本の現在・将来にとって枢要必須の課題だといえよう。

<3> 社会発展の源泉

創発型大学、知的コアの人々、コミュニティ意識、伝統、ゆとり
1.創発型大学
滞在中、新聞紙上に報告された分析によると、地域の発展は本質的には
創発型の大学の存在が大きく作用していると見られる。
You-Noodleの最近の調査・評価”Global Top Ten”「創発源泉型大学」で、
スタンフォード大学が世界1位に挙げられ、次いでボストンのMIT、
イギリスのケンブリッジ、カリフォルニア大バークレイ校、
インド工科大学、が世界の創発型5大校として挙げられていた。

最近日本でも名前の出てきた「インド工科大学」については、
まだ情報が少ない。 さらによく知る必要があろう。
ともあれ、5つのうち2つを持つベイ・エリアは、そういう意味で
強いわけである。ITやバイオ関係を見ればすでに明らかなように、
スタンフォードやカリフォルニア大バークレイ校(ノーベル受賞者数は
州第一、バイオ系にも強い)など、世界的評価の高い『創発』源をもつ
ベイ・エリア/シリコン・ヴァレイの技術開発・創業・起業意欲は
相変わらず高く、活気の湧出は健在である。 

2.知的コアの人々、ゆとり、コミュニティ意識 
社会のコア、知識層の人たちの生活を垣間見ると、
たとえば、以前は距離のあったWalmartなど大衆向けの施設との関係が
ぐっと近くなっているように見えるなど、一層の生活防衛をしている様子が
うかがえる。しかし、インフラや社会的蓄積に恵まれたアメリカ生活の
基礎パターンは変えていないように思われる。
社会生活の潤いを大切にする《ゆとり》、というべきか、
たとえば音楽会や美術館・博物館・花苑などを訪れる人は多く、
そこには生気ある潤いが見られる。
3回行った音楽会では、日本ではやらないような小編成の
「管だけのステージ」があったり、地味な古典が味わえたり、
日系ピアニストの達者な演奏があったり・・・、
いろんな意味で興味深かった。

3.より本質的には、そのような《場》を通しての、長い目で見た
社会秩序の形成が相変わらず確かであることに注目すべきであろう。

演奏会場の切符の〈もぎり〉や案内は年配のボランティアによって
支えられ、たとえば、一定枠の席を確保されて事前の解説段階から
招かれている高校生たちは、祖父母のような人たちに席まで案内され、
お行儀も仕込まれている様子である。      

つまり、次世代の育成は、そういった場でも着々と進められているわけで、
それらの蓄積であろう、壮大なパイプオルガンを正面に据えた、
シンフォニイ・ホールに集う人たちには、大切なものを〈共有〉する、
大きなファミリーのような雰囲気がある。

コミュニティをつくり上げ、育て、大切にする息の長い振る舞いには
(日本人の取り組みと一見違うようでも、原理は通底していることを感じる)
いつもながら敬愛の念を覚えるのである。 
近年、移民政策の歪みや所得格差の問題など、様々な社会問題があるのは
事実だが、社会のコアにある人たちの行動には、代々、コミュニティを
築き上げてきた確固とした信念が伝統として流れているように感じられる。
経済ショックとてそれらを覆すことは決して出来ないであろう。 

4.伝統業種の変化にみる「本質」認識の重要性
大阪の、ある会合でときどき顔を合わせる「文具会社」の社長さんが居る。
本を出版したからと贈られた著書を見て、ちょっと待てよ?と思った
内容があった。 例によって探求心を燃やし、その「確かめ」に時間を
割いた。それというのも、著書の中に「アメリカでは、文具はスーパー
などで売っていて本格的な文具店はない。・・・文具にそれほど
価値を見出さない、書けたらいい、・・・そういう発想がアメリカだ。

アメリカには文具という概念が存在しなかったので、雑貨として扱われた
ように思う・・・。」という趣旨の記述があったのだ。
僕の知見では、伝統的な文具店はアメリカに昔も今もあるのだから
その認識はおかしいし、文具店や文具の本質を問い確かめれば、
認識が変わるのではないか?と行動したのである。

<4>“FILOLI”に見る〈ゆとり〉 ― 自然・伝統・創造

友人の誘いで訪ねた“FILOLI”に触れたい。

「温故・審美のゆとり」の存在もまた、人々に落ち着きと安らぎを与え、
創造・発展を導く源泉となるであろう。
サンフランシスコの南30マイル(約50キロ)の位置にある“FILOLI”は、
黄金時代のカリフォルニアを象徴する保存史跡である。
80万坪(256万u)の敷地は、太平洋に沿うサンタクルツ山地の東側に広がる。
僕ははじめ、ゴールドラッシュ時代に財を成した人物の名前か(イタリア系?)
と思ったが、“FILOLI”の名には曰くがあった。

創設者が、Crystal Springs Lakeと呼ばれる清澄な湖に隣接して立地し、
その後継者が充実させた“FILOLI”は、後にナショナル・トラストに寄贈されて
一般公開されているのだが、その名の由来は、実は、創設者の主張、
”Fight for a just cause; Love your fellow man; Live a good life.”
をつづめたものだという。 なるほど、ユニークな響きであるはずだ。

その“FILOLI”の敷地の中心部に英国ジョージ王朝風の邸宅がある。
36,000平方フィートつまり1,013坪(3,348u)の屋敷に、16エーカー
(19,600坪、64,800u)の英国風庭園(花苑)が続いている。
色とりどりの花の目の覚めるような美しさ、池や噴水・小屋などをあしらった
花苑の様式美は見事である。それらの背景にある木立の趣きは、
紅葉・黄葉の秋に、とくに美しいという、さもありなんと想う。
さらにそれらを囲む広大な樹林には、多くの小道があり散策やハイキングを
楽しむことが出来る。 また十分時間を取って再訪したいと思ったのだった。

実は、個人的に好奇心をそそられ見惚れたものがある。

邸宅の客間にあった椅子だ。 普通の「ほぼ四角い座面」の椅子を上から見ると
、一つの辺が背もたれで、両側の辺に肘掛けがあり、背もたれと反対側の一辺が
「足用の空間」になっている。
ところが、瞠目したその一脚は、上から見た四辺形の一つの「コーナー」部分
が背もたれ用に丸く仕立てられ、その両辺に短い肘掛けが続けてしつらえてある。
そして問題の「足用の空間」は、背もたれコーナーの反対側、対角コーナーに、
あたかも左右の足でコーナーを挟んで下ろせるような具合につくられている
のである。

早い話、四角い椅子に四角四面に坐るのではなく対角線に坐るようにつくられて
いる ― 実のところ、僕はどきどき、椅子に斜め坐り、つまり、体を少し捻って
コーナーにまたがるような横着な据わり方をして ― こんな格好で坐れるような
椅子がほしい!と思っていた、そのとおりの形なのだ。

行儀よく両足を揃えて坐る普通の椅子ではなく、左右の足を自然な感じで
下ろして楽に動かせる椅子である。 
さらに感心したのは、座面の奥行きが短く、足用コーナーの面をとってある
ことだった。 だから、両足を揃えることも出来るし、コーナー部を挟んだ
形で楽に坐ることも出来る。 普通、格好つけた椅子は座面の奥行きが長く、
僕のように短足だと、きちんと坐ると、膝の内側に縁が当たって落ち着きが
悪いのだが、その椅子は奥行きが短い、よくもまあ、と感心した。
その形の椅子は一脚だけ ― 客間には椅子が20脚近くあったが、
その一脚以外は普通の形だった。その一脚は主人用の机のすぐ傍にあった。
創設者が愛用した椅子に違いない。一瞬、その人は僕のように短足かも知れない
と思ったが、他の部屋、食堂や書斎などの机や椅子の高さを思えば、
やはり長身らしい。 リラックスして来客と歓談するため、特別につくらせた
椅子であろうと推察される。 金があれば是非つくってみたいと思う椅子だった。    

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<筆者プロフィール>  藤田 彰久  関西大学名誉教授〈商博〉
大阪府立産業能率研究所生産管理部長を経て関西大学教授。商学部長等を
経て99年に退職。能研時代、米国に留学。IEおよびトップマネジメント
の泰斗メイナード博士のもとで研鑽を積む。
関西大学時代、カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員(2回)や
ベルギー・ルーヴァン大学に留学など、在外研究・海外調査多数。
国内調査・診断・審査等多数(通産大臣「優良中小企業診断士」表彰。
著書・論文:「IEの基礎」「生産文化論」など多数。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■=== 【コラム/『経営や歴史の著名人に見るBSC的考察』】 <寄稿>

 〜〜「楽天イーグルス」の巻〜〜
                        高橋 義郎/VWJ
                    yosiro-t@cb4.so-net.ne.jp

球団創設5年目の節目に、楽天がクライマックスシリーズ(CS)進出を
決めた。惜しくも日本ハムに敗退してしまったが、
楽天と日本ハムの両チームのナインが野村監督を胴上げした情景は、
いかにも老練監督への愛情の証として、多くの人々の記憶に
長く残るに違いない。

その野村監督の「ぼやき」を含めたBSC的考察は以前に書いたことが
あるが、今回は球団側の島田球団社長の語る経営戦略をBSC的に
考察してみたい。

島田社長は、この5年間を振り返って、
球団としては5年で3位以内が明確な目標だったことに対し、
戦略的に1.5軍のようなチームで始めた楽天がその通りになるとは
奇跡的だと話している。

過去、球界に参入したチームが球団を手放す理由に、
勝てなくてファンが付いてこず、経営が立ち行かなくなったことは、
いくつかの例が証明している。
5年くらいでまともな戦いができないと、
楽天球団としても経営が難しくなる可能性があったという。

田尾監督に代えて野村監督を招聘したのは、経営の大きなポイントだった
ことは想像に難くない。野村監督が選手に1.5軍ではなく、
他球団と同じレベルの1軍として戦う意識付けをし、
感覚ではなく考えて野球をやる癖をつけてくれた。
その土俵をつくっただけでも大きな効果があった。

好成績により観客動員数は昨年より4%ほど増える見通しだが、
球団経営で一番実感しているのが、チームが地域に根付いてきたことだ
という。楽天の野球帽やユニフォームを着たファンが増えているし、
地域から支持だれる運営ができてきたのかなと感じている。

今季からはじめた、開催の曜日や対戦カードで料金を変える
フレックス・プライスチケットの効果もあるようだ。
価格設定は安くなってしまったが、それでもワンランクいい席で見ようと
いうファンも多く出てきて、チケットの売り上げは昨年より2割増える
見込みだそうだ。

ファンクラブの会員増もあり、個人からの収入は昨年比で4億円増えて
いる。ただ、スポンサー収入は大幅ダウンで、今期の営業損益は
約10.5億円の赤字になる見通し。
ただ、CSなどの収入は織り込んではいない数字だそうだが。
いずれにしても、2015年には黒字化したい目標だ。

球界再編で楽天のようなIT企業が参入して5年がたったが、
過去にも時代の花形たる業種がプロ野球を担ってきた。
その中で、特に地上波で野球の露出が減ってきている今、
インターネットやモバイルで動画として当たり前のように野球が
見られるかが、これから大事になるという。

米国ではテレビ放映用とは別に、ネット専用のカメラで独自の映像を撮り、
小さな画面に対応するように、顔の表情を大きく映すなどの工夫を
している。いかにネットとモバイルで、ユーザーが映像を楽しく
見られるか。そういう工夫を日本でもやれるのではないか、
という戦略だ。

そのような楽天球団の経営戦略をBSCの4つの視点にまとめてみると、
次のようになるのではないか。識者の意見を待ちたい。

−−−−−−−−−−−−
<財務の視点>
 ・2015年までの黒字化実現。
 ・チケットの売上増大。
 ・ファンクラブからの収益増大。
<顧客の視点>
 ・5年で3位以内になる目標達成。
 ・観客動員数の増加。
 ・地域から支持される球団運営。
 ・ファンクラブ会員の増加。
<プロセスの視点>
 ・より楽しめるインターネットやモバイルでの専用動画配信。
 ・フレックス・プライスチケットの導入。
 ・地域密着型球団運営のプロセス構築。
<学習と成長の視点>
 ・野村監督招聘という経営の決断。
 ・選手の意識改革の実行。
 ・楽天球団の経営方針と重点目標の明確化。
−−−−−−−−−−−−
(参考:日本経済新聞、2009年10月9日)

筆者紹介: 高橋 義郎
      元・フィリップスエレクトロニクスジャパン 経営品質部長
現・ヴェオリアウオータージャパン 経営戦略室長
  <個人HP: http://www007.upp.so-net.ne.jp/y-takahashi-27/ >

┏━AD━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
先の読めない困難な時代だからこそ戦略志向経営でPDCAサイクルの
  スピードを上げ柔軟な対応が可能な組織としておく必要があります
    http://www.tru-solutions.jp/BSC_Proposal_2009.htm
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ★☆★ 好評のJUAS《「BSC一日活用講座」》の開催日程 ★☆★
          2010年2月16日(火)
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  ※いずれの日程も9:30〜17:30、会場はJUAS会議室
 社)日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) http://www.juas.or.jp/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【コラム/『【脳マネ】第33回 脳って面白い 』】<寄稿>

       監修・文責 前田英行/日立公共システムエンジニアリング
                    maeda@gp.hITachi.co.jp

〜脳科学から学ぶプロジェクトマネジメント/プロのマネージャー〜
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
《 第33回:「心の力を鍛える(プロ選手のメンタルトレーニング)」 》
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  === チームビルディング、コミュニケーションマネジメント ===

        出典:白石豊著 「心を鍛える言葉」

メンタルヘルス(心の健康)不全を「ケア」することから、1歩進んで「予防」
するためには、メンタル(心)の力を鍛える事が必要だと思います。それでは、
どうすれば鍛えることができるでしょうか?

心の力を鍛える、つまりメンタルトレーニングにという言葉は、スポーツの世界
の方がビジネスの世界よりも多く聞かれます。いろいろと条件や環境に違いがある
と思いますが、メンタルトレーニングに関するスポーツ界の知見を学ぶことは、
メンタルヘルス不全の予防に大いに役立つと思います。

オリンピック選手やプロ野球選手のメンタル面のアドバイスをされている、福島
大学の白石豊さんと言う方の講演を聞くチャンスがありました。この方の書かれた
「心を鍛える言葉」という本も読ませていただきました。

この白石さんが、メンタルトレーニングを指導する時は、七つのスキルを確認
することから始めるそうです。このスキルは、「ビジネス」で成果を出すため
にも必要な力だと書かれています。

それぞれのスキルについて、1点から10点の点数をつけ、レーダーチャートに
する事で、自分の現状をみつめます。メンタルトレーニングでこの点数をアップ
することを目標にします。

<成果を上げるために必要なメンタルスキル>
出典:白石豊「心を鍛える言葉」P.15
(1)意欲
  朝起きたときのその日にやることをイメージします。
  イメージするだけでワクワクするなら10点。
  思わず布団をかぶってしまうようなら、このスキルは低い点数です。
(2)自信
  自信にあふれていれば10点。
  自分の仕事や行動に全く自信がなければ1点です。
(3)感情コントロール
  どんな状況でも冷静沈着に対応できるなら10点。
 「キレル」「イラツク」「ムカツク」を頻繁に感じるなら、スキルが低い。
(4)イメージ想起能力
  自分のやる事のイメージが現実感をもってえがければ高得点。
  目を閉じても何も浮かんでこない人は1点です。
(5)集中力
  やるべきことに完全に没頭できる人は高得点。
  いろいろなことが雑多に浮かんで能率の悪い人は低得点。
(6)リラックス
  プレッシャの掛かる場面でも、心も体もリラックスできれば高得点。
  緊張して堅くなる人は低得点。
(7)コミュニケーションスキル
  自分の考えを、相手によくわかるように伝えれれるなら高得点。
  言語だけではなく、声や表情、姿勢なども全て含まれます。

成果を上げるために必要なメンタルスキルで最も大切な力は、「意欲」だと
言われています。「意欲」はやる気、エネルギー、全ての活動を強力に
推進するエンジンです。このメンテナンスには、絶えず細心の注意を払う
必要があるそうです。

メンタルヘルス不全の重大な症状に「なぜだか、意欲がわいてこない」が
あります。白石さんの著書には「意欲的に取り組めない」原因の大部分は、
そこに喜びや楽しみが見出せないことにあると書かれています。
なぜ楽しめないか徹底的に原因を究明する必要があるそうです。

最初からやる気のない人はいません。小さな子供の時は意欲満々でした。
何か新しいことをやる時は、やる気がわいてきます。ところが、
いつかやる気を失ってしまいます。その原因はなんでしょう?

白石さんは、次のようなプレッシャのかかる言葉を浴びつづけることが大きな
原因だとおっしゃっています。

<やる気をなくす言葉かけチェック>
   出典:白石豊「心を鍛える言葉(P.22)」
(1)他人から完全を要求されていませんか?
(2)欠点ばかり指摘されていませんか?
(3)達成できそうにない目標を課されていませんか?
(4)常に他の人と比較されていませんか?
(5)自発性が傷つけられていませんか?
「どうせ、出来ないよ」「ほら、やっぱり駄目だった」

皆さんも他人からこんな言葉をかけられて、
いやになったり無力感を感じていませんか?
他人にこんな言葉をかけて、人を無気力にしていませんか?
不思議なことに、自分で自分にこんな言葉をかけて、意欲を失っていませんか?

白井さんの所へは、能力はあるのに、こんな言葉をかけられたことが原因で
すっかりやる気をなくした選手が訪れることは珍しく無いそうです。

これでは、「意欲を無くせ、意欲を無くせ」と言う催眠術をかけられているよう
なものだそうです。
こうした選手も、いくつかのメンタルトレーニングを行い、「自分に対する言葉
かけ」を変えることで、復活を遂げた例がたくさんあるそうです。

そのいくつかのメンタルトレーニングについて、詳しくは本をご覧下さい。
実例入りでかかれています。キーワードを書いておきます。

 ・あるがままに聞いてもらう、面談の実際、傾聴
 ・メンタル日記、自分を見つめ直す
 ・イライラや不安を根治する (「感謝」と「生かされている」感覚を持つ)
 三つの調べごと
1.○○さんに 何をしていただきましたか?
2.○○さんに どのようなお返しが出来ましたか?
3.○○さんに どのようなご迷惑をおかけしましたか?

 <あなたの職場・プロジェクトではどうですか?>

5つの「やる気をなくす言葉かけ」職場にどれくらいあるんだろう?
家庭でもありそうだな?他人から声をかけられていたり、自分が声かけをして
いたり気づかずにしているだろうな。

自分が自分にこの言葉をかける事も「あるある」。まずいぞ。!

すこしは、必要かも知れないけど、頻度が多いとやる気は無くなるだろうな。
やっぱり。学習的無力感とも言われているね。

他人にかけられたこの言葉をストレスに感じ、さらに自分で自分に同じ言葉
かけを繰返して、ストレス感情を増幅して、メンタルヘルス不全になる人も
いるんじゃないかな。

 <さあ、今日から行動しよう!>

今日から一週間、このやる気をなくす言葉かけの回数を数えてみよう。
定量的計測が改善には必要だ!!!。

※コメントを頂けると嬉しいです。書く意欲が継続します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<筆者プロフィール>  前田 英行 (まえだ ひでゆき)
福島県生まれ。家族は妻、子供3人、猫一匹と亀一匹。牛久市在住。
SE、プロジェクトマネジャとして大小数多くのITシステム構築に従事。
プロジェクトマネジメント学会評議委員、PMP、ITC、システム監査
技術者。趣味は芸術と脳科学、発展途上中のゴルフとスポーツ観戦。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

┏━AD━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
   実践型パフォーマンス・コーチングは積極的傾聴とPDCAから
   情報分析に基づくシナリオの無いコーチングは時間の無駄使い
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   コーチング研修:「基礎編」と「実践編」で身に付く研修を!
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   風土革新を総合的に支援する(株)TRUソリューションズ
     当社提供の<組織活性化・人材育成関連サービス>は、
       ==> http://www.tru-solutions.jp/tru-10.htm
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【F+S Forum/開催日程】

◆開催予定:  <以下は仮日程です。最新日程はHPをご覧ください>

・広 島【第15回】 10月30日(金)〜31日(土)@楽座、広島東映CC

・ゴルフ【第33回】 11月20日(金)@桜ヶ丘CC <参加者募集中>

・東 京【第141回】12月16日(水)@恵比寿.BELGAMO
  〜2009年度:大忘年会&クリスマス・パーティー〜

◆開催報告:

・名古屋【第30回】 10月22日(木)@名駅.エスカイヤクラブ
  7名のご参加でした
・大 阪【第48回】 10月23日(金)@梅田.エスカイヤクラブOSビル
  4名のご参加でした
・東 京【第141回】10月28日(水)@赤坂.エルカミー
  幹事が急病&入院のため★開催中止★しました

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
  「人が創る」を合い言葉に、「F+S Forum」を通じてより良い社会へ
       http://www.TRU-Solutions.jp/F+S_Forum.htm
   参加者のご紹介や【F+S Flash】のバックナンバーは上記URLで
  各種有益な情報提供やイベント等の告知があればお知らせください
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

編集後記: この歳で親父と同じ「大動脈乖離」になるとは思ってもいませんで
した。私は、今年来年と「大殺界」なので、何か・・・あるとは思っていましたが、
こんな病気になろうとは!でも、かなりの確率で命を失う病気で、今のところ
生きてるってのは、それなりに運もあり、神様がもう少し生きてても良いと、
言ってくれてると前向きに受け取っています。それにしても、発症時の背中の
痛みはすごかったです。「激痛、刺すような痛み」が続き、夜も眠れず「七転八倒」
の経験は生まれてはじめてのことでした。ちょっとザンネンなのは、見舞いに
来てくれた人が「元気そうだね」と言うことです。この病気は、中は(つまり、
大動脈の内側が)「一触即発」の状態なのに、表面上は<痛みさえ消えれば>
いたって元気に見えるとこです!(0_0)!今月は病院でこの「F+S Flash」を編集
していますが、11月には退院していたいものです。

 ・「大動脈乖離」 http://homepage2.nifty.com/gtr-iwasaki/kairi.htm
   http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.201_300/291dai-hakuri.html
 ・「大殺界」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AE%BA%E7%95%8C
   http://www.asahi-net.or.jp/~lv2k-sgw/dai/index.html

//////////////////////////////////////////////////////////////////////